自由診療クリニックのためのオンライン診療マーケティング大全|収益最大化のための完全ガイド
ここ数年、自由診療クリニックの経営環境は大きく変化しています。競合の増加、広告費の高騰、そして患者ニーズの多様化──従来の「来院型モデル」だけでは、集患や収益の確保に限界を感じるクリニックが少なくありません。
その中で注目を集めているのがオンライン診療です。
オンライン診療は単なる利便性の拡張ではなく、クリニックの収益構造を根本から変える可能性を持っています。これまで届かなかった患者層へのリーチ、継続利用を前提としたサービス設計、新しい収益モデルの構築──その活用次第で、経営の安定性と成長余地は大きく広がります。
一方で、「導入したが思ったように集患につながらない」「広告を出しても問い合わせが増えない」「予約が入っても初診に至らない」といった課題も現場では多く見られます。
本記事では、こうした課題を広告 → 予約 → 初診 → 再診 → LTVのプロセスに分解し、数値モデルを用いてシナリオ比較します。さらに、そこから導き出される改善の優先順位を整理し、最後にクリニックが収益を最大化するための具体的な実践ステップまでを提示します。
広告投資の現実 ― CPC・CTR・CVRを把握する

オンライン診療の集患を成功させるには、まず広告の仕組みを数字で理解することが不可欠です。感情や感覚ではなく、データに基づいた判断が成功への鍵となります。
医療広告の基本指標
- クリック単価(CPC)
医療・健康分野におけるクリック単価は、一般的には数百円台とされており、クリックの単価感覚として「高すぎず低すぎず」といった印象です。 - クリック率(CTR)
検索広告全体の平均クリック率は 約3%前後 で、医療分野も同程度と考えられます。ターゲットを絞り込んだ広告や、信頼性を高める表現を使うことで、この数値を上回ることが可能です。 - 成約率(CVR)
成約率(CVR)は 3%前後 が目安とされ、広告文やLP改善により数ポイントの上昇が見込めます。CVRは数%の改善でも、予約件数や広告ROIに直結するため、最も注力すべき指標のひとつです。
これらの指標を正しく理解しなければ、「なぜ広告を出したのに成果が出ないのか」という原因を特定できません。これらの数字は、オンライン診療マーケティングの土台となります。
広告改善による新規予約の拡大

同じ広告費を投下しても、LPの改善と訴求の工夫次第で、新規予約数は大きく変わります。ここでは、月間広告費50万円を投下した場合のシナリオを比較してみましょう。
【シナリオ1:オンライン診療なし・改善前(業界平均)】
一般的な来院型クリニックの広告運用を想定します。
- 月間広告費:¥500,000
- クリック単価(CPC):¥200
- クリック数(CTR):2,500クリック
- 成約率(CVR):3.0%
- 予約数:2,500クリック × 3.0% = 75件
- 1予約当たりのコスト:¥500,000 ÷ 75 ≒ ¥6,700/予約
このケースでは、50万円の広告費で「約75件の予約」が期待できます。これが、多くのクリニックが直面している「集患の頭打ち」の現状です。
【シナリオ2:オンライン診療なし・改善後】
LPの改善とペルソナ訴求を徹底することで、成約率(CVR)を3.5%まで改善するシナリオです。
- 成約率(CVR):3.5%
- 予約数:2,500クリック × 3.5% = 87.5件
- 1予約当たりのコスト:¥500,000 ÷ 87.5 ≒ ¥5,700/予約
改善施策の具体例
- ペルソナを具体化する: ターゲットを「忙しい30代会社員」や「地方在住で専門医を探す40代女性」のように絞り込み、広告文やLPのキャッチコピーをその悩みに合わせて作り込みます。
- LPに信頼性を付与する: 医師の専門性や経歴を伝える「医師紹介動画」、来院までの流れを簡潔に説明する「診療フローの図解」、そして患者が安心できる「簡単入力フォーム」を配置することで、離脱率を下げ、CVRを押し上げます。
同じ広告費でも、こうした工夫で予約数が約13件増加します。この差は、1件あたりのCPL削減だけでなく、初診・再診の積み上げによって数百万円規模の売上差へと直結します。
初診の離脱を防ぐ ― 来院率改善

せっかく予約が入っても、初診に至らなければ売上にはつながりません。特にオンライン診療は対面ではないため、「不安」「手間」からキャンセル・放置されやすいという特性があります。来院型診療でも、予約後のフォローが不十分だと、同様に高い離脱率に悩まされます。
平均的な初診受診率:70%
この平均値で考えると、成約率改善前の予約75件からは約53件、成約率改善後の予約87.5件からは約61件が初診に至ります。
この受診率を 75% まで引き上げるための施策を見ていきましょう。
改善策の具体例
- 予約直後に「サンキューメール+利用案内動画」を配信
予約完了直後に、感謝のメッセージとともに、クリニックの雰囲気やオンライン診療の流れ、必要な準備物をまとめた動画を送信。不安を払拭し、来院へのモチベーションを高めます。 - 前日SMSリマインドで受診忘れを防止
予約日の前日または数時間前に、自動でSMSを送信するだけで、受診忘れを大幅に防ぎ、受診率を数ポイント改善できます。 - 予約後にサポートチャットを設置
予約後の患者からの質問にリアルタイムで対応するチャットボットを導入。疑問を即座に解消し、キャンセルを防止します。
これらの工夫によって、成約率改善後のシナリオでは受診率向上で87.5件の予約から約66件(+5件)が初診に至ります。わずか数件の差が、年間で数十件の違いとなり、数百万円規模の収益差を生み出します。
再診率を引き上げる ― フォロー戦略の重要性

初診患者をリピーターに変えることが、LTVを押し上げる最大のポイントです。一般的な再診率は 30% とされていますが、丁寧なフォロー戦略で 35% まで引き上げることが可能です。
数値例
再診率改善前:初診66人のうち約20人が再診に至る(再診率30%)。
再診率改善後:同じ66人から約23人が再診に至る(再診率35%)。
たった3人の差でも、1人あたりの単価が2~3万円であれば、年間では百万円近くの収益改善につながります。
改善策の具体例
- 美容系: 施術後の肌の経過観察をオンラインでチェックするフォローアップサービスを提供。安心感が継続率を高めます。
- AGA: 定期的に写真を送付してもらい、進行状況を観察・指導。患者のモチベーションを維持。
- ダイエット: 食事内容の報告や体重データをオンラインで定期的に確認。適切な指導で継続利用を促進。
さらに、初診後のサンキューメールに「次回予約リンク」を添付することで、スムーズな再診導線を確保できます。
LTV最大化 ― アップセルとクロスセル

広告・初診・再診の改善を積み上げても、患者1人あたりのLTV(顧客生涯価値)を伸ばせなければ利益は頭打ちになります。ここで重要になるのが「アップセル」と「クロスセル」です。
患者1人あたりの収益シナリオ
改善前
- 平均単価:¥20,000
- 平均再診回数:約0.43回
- LTV:¥20,000 × (初診1回 + 再診0.43回) = ¥28,600
改善後(アップセル・クロスセル実施時)
オンラインでのカウンセリングは、患者さんの悩みを深く掘り下げる良い機会です。丁寧なコンサルティングを通じて、平均単価を22,000円まで引き上げ、さらに継続的な治療プランを提案することで、再診率35%で平均再診回数を0.54回に増やすことが可能です。
- 平均単価:¥22,000
- 平均再診回数:約0.54回
- LTV:¥22,000 × (初診1回 + 再診0.54回) = ¥33,880
再診率について
再診率30%なら、初診100人のうち30人が再診し、その30%がさらに再診…と続きます。これを合計すると 初診1人あたり平均0.43回再診する計算になります。再診率を35%に上げれば0.54回、40%なら0.67回と増加します。(※数値や計算方法はあくまでモデルケースです)
アップセル施策の具体例
- 治療プランの複数提示: 初診時に「基本プラン」だけでなく「集中プラン」「長期コース」を提示することで、患者の予算や目標に応じた最適な選択肢を提示します。
- パッケージプランの推奨: 美容医療なら「単発施術」ではなく「3ヶ月プラン」や「半年パッケージ」を推奨し、継続的な治療を促します。
クロスセル施策の具体例
- 関連製品の販売: AGA治療とセットでサプリメントの定期配送サービスを提案します。
- 複合的なサービス提供: 美容レーザー施術後に最適なスキンケア製品を販売したり、ダイエット診療と管理栄養士によるオンライン指導を組み合わせることで、顧客満足度と収益を同時に高めます。
患者一人あたりのLTVが少し伸びるだけでも、それが年間数百人分積み上がれば、数千万円規模の増収につながります。
従来型集患における改善シナリオまとめ
ここまで見てきた各指標の改善が、最終的な売上にどれだけのインパクトをもたらすか、全体像で見ていきましょう。
| 指標 | 改善前(従来型) | 改善後(来院型改善) |
|---|---|---|
| 月間広告費 | 500,000円 | 500,000円 |
| 成約率(予約件数) | 3.0%(75件) | 3.5%(87.5件) |
| 初診率・初診者数 | 70% → 約53人 | 75% → 約66人 |
| 再診率・再診者数 | 30% → 約16人 | 35% → 約23人 |
| 平均単価 | 20,000円 | 22,000円 |
| 当月売上 | 1,060,000円 | 1,452,000円 |
| LTV | 28,600円 | 33,880円 |
| LTVベース売上 | 1,515,800円 | 2,236,080円 |
※数値はモデルケースです
当月売上:初診数×平均単価で算出
LTVベース売上:初診数×LTVで算出(LTVにより再診率も反映)
このシミュレーションが示すように、オンライン診療を導入せずとも、広告改善とLP・フォロー体制の強化だけで売上は約1.5倍に拡大します。
オンライン診療導入による「第三のシナリオ」

ここまでの改善は「来院型」前提でした。しかし、オンライン診療を導入すると、さらに集患・収益の可能性が広がります。
オンライン診療の利点
- 再診フォローのオンライン化:経過観察や軽微な相談をオンラインに切り替えることで、患者が継続的に受診しやすくなり、自然に再診率が向上します。
- オンライン問診とセット化したプラン:初診は対面、2回目以降はオンライン診療というハイブリッド型にすることで、患者の利便性を高めながらリピートを確保できます。
- オンライン予約・決済との一体化:予約から診療、決済までをワンストップ化することで、患者の離脱を防ぎ、安定した収益を支える仕組みになります。
ただしオンライン診療では、予約は入りやすい一方で 初診率はやや下がる傾向があります。しかし来院負担が少ないため継続利用が進みやすく、再診率やLTVはむしろ高まりやすいのが特徴です。再診メニューと相性のよい診療分野では特に効果的となります。
3つのシナリオ比較
| 指標 | 改善前(従来) | 改善後(来院型改善) | オンライン診療導入 |
|---|---|---|---|
| 月間広告費 | 500,000円/月 | 500,000円/月 | 500,000円/月 |
| 成約率(予約件数) | 3.0%(75件) | 3.5%(87.5件) | 3.5%(87.5件) |
| 初診率 ・初診者数 | 70% → 約53人 | 75% → 約66人 | 70% → 約61人 |
| 再診率 ・ 再診者数 | 30% → 約16人 | 35% → 約23人 | 40% → 約24人 |
| 平均単価 | 20,000円 | 22,000円 | 25,000円 |
| 当月売上 | 1,060,000円/月 | 1,452,000円/月 | 1,525,000円/月 |
| LTV | 28,600円 | 33,880円 | 41,750円 |
| LTVベース売上 | 1,515,800円 | 2,236,080円 | 2,546,750円 |
| 年間売上 | 1272万円/年 | 1742万円/年 | 1830万円/年 |
| 年間LTV売上 | 1818万円/将来見込 | 2683万円/将来見込 | 3056万円/将来見込 |
※数値はモデルケースです
LTVにおける年間売上は、1年超過分も見込んだ数値となります。実際に売上回収できる期間は未定であり、将来見込みも含んだ売上数値となります。
このシミュレーションから分かるのは、オンライン診療が「単なる利便性向上」ではなく、収益構造の質を変える仕組みであるという点です。従来型から来院型改善に取り組むだけでも売上は約1.5倍に拡大しますが、オンライン診療を導入すれば 初診率はやや下がる一方で、再診率や平均単価の向上によってLTVが押し上げられ、LTVベース売上は従来比で約1.7倍 に到達します。
つまり、オンライン診療の強みは「新規を増やす」よりも、一度獲得した患者の継続利用と収益性を高める点にあります。オンライン診療を組み合わせることで、来院型にはない安定的な成長シナリオを描けるのです。
まとめ:数字を動かせば、収益は動く
- 従来型の課題: 成約率 3.0%、月間売上 約106万円、LTV売上 約151万円
- 来院型改善の成果: 成約率 3.5%、月間売上 約145万円、LTV売上 約223万円
- オンライン診療導入の飛躍: 成約率 3.5%、月間売上 約152万円、LTV売上 約254万円
今回のモデルでは年換算すると数百万円単位の売上の差が生じます。
広告改善とフォロー体制の強化だけでも収益は伸びます。そこにオンライン診療を組み合わせれば、新たな市場開拓とLTV最大化の両立が可能になります。
オンライン診療は単なる便利ツールではありません。それは、初診率・再診率向上やアップセル・クロスセルを含めた収益設計を可能にする経営戦略そのものです。数値を見える化し、小さな差を積み上げることが、やがてクリニックの大きな飛躍につながります。あなたのクリニックのオンライン診療も、今日から戦略的なマーケティングで新たな成長軌道に乗せることができます。特にLINEで初診から診療、再診まで完結できるMedibotは上記の来院型改善案まで包括的に期待できるオンライン診療ツールです。
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